身の回りで応用されているセンサやセンシングデバイスは,IoT(モノのインターネット)化の社会で,さまざまな情報を生み出す素子となっている。例えば,人感センサ,温湿度センサ,光センサ,ガスセンサ等のセンサにより高度化されたセンサ集合体は,自動化されたデータ収集システムを用いて,日々の生活をモニタリングして生活習慣や健康チェックなどするだけでなく,農業や環境計測,AI(人工知能)による次世代システムやビジネスの創成,といった産業への応用も期待され,安心・安全の社会環境を実現するツールになってきている。大量に収集されるデータのモデル解析には,マルチデータの収集が欠かせない。このような社会需要を踏まえ,センサやセンシングシステムには,さらなる多様性(高付加価値化)と高性能化が要求されている。
そこで,来たる高度化した情報化社会の中で,日本のMEMSやNEMSに基づく産業基盤を盛り立てて行くためには,高付加価値センシングシステム等に要求される現状や課題を網羅しなくてはならない。
本調査専門委員会では,MEMSやNEMSを基軸とする様々な環境で応用されるセンサやセンシングシステムに関する調査を行うことを目的とする。加速度・ジャイロセンサやスピンセンシング,極限センシングなど,微細構造を応用した高機能・高感度センシングの動向についても調査する。